低身長ってどのくらいから?
標準身長と-2SDの意味
こどもの身長豆知識 vol.1
「うちの子、クラスで小さいほうだけど…受診したほうがいいのかな?」
そんな心配をされる保護者の方は多くいらっしゃいます。
でも、「低身長かどうか」を判断するには、なんとなくの印象ではなく、きちんとした医学的な基準があります。
今回はその基準である 「-2SD(マイナス2エスディー)」 についてわかりやすく説明します。
「低身長」は医学的な定義がある
日常会話で「背が低い」というのは主観的な表現ですが、医学的に「低身長」と定義するときには、次の基準が使われます。
同性・同年齢の子どもの平均身長と比べて、-2SD以下の場合を「低身長」と定義します。
-2SDというのは、身長のばらつき(標準偏差)を使って計算された基準線のことです。
SDってなに?

SD(Standard Deviation) とは「標準偏差」のことで、データのばらつき具合を表す統計の指標です。
身長のデータは、上の図のような「釣り鐘型(正規分布)」を描きます。
- ±1SD以内:同年齢のこどもの約 68% が含まれます
- ±2SD以内:同年齢のこどもの約 95% が含まれます
- -2SD未満:下から約 2.3% に相当します
つまり、-2SD未満というのは「100人いたら下から2〜3人」にあたる身長です。
この範囲のお子さんは、成長ホルモン分泌不全症などの病気が隠れている可能性があるため、専門的な評価が必要と考えられています。
具体的な数字で見てみよう
学校保健統計(文部科学省)をもとにした、年齢別の平均身長と-2SDの目安の例を示します。
| 年齢 | 性別 | 平均身長 | -2SDの目安 |
|---|---|---|---|
| 5歳 | 男 | 110.3cm | 約102cm |
| 5歳 | 女 | 109.4cm | 約101cm |
| 8歳 | 男 | 128.4cm | 約118cm |
| 8歳 | 女 | 127.9cm | 約117cm |
| 10歳 | 男 | 138.2cm | 約123cm |
| 10歳 | 女 | 139.8cm | 約126cm |
| 13歳 | 男 | 159.4cm | 約143cm |
| 13歳 | 女 | 155.2cm | 約143cm |
※ -2SDの目安は文部科学省の成長曲線データをもとにした参考値です。
-2SDに当てはまらなくても受診してよい
大切なのは、「-2SDに当てはまらないから安心」ではない、ということです。
以下のような場合も、受診・相談をおすすめします。
- 成長速度が遅い:1年間の身長の伸びが4cm未満(目安)
- 成長曲線から外れてきた:以前は平均近くだったのに、だんだん下に外れてきた
- 思春期のタイミングがおかしい:早すぎる・遅すぎる発育
- 保護者が強く心配している:数値上は正常でも、ご不安があればお気軽に
成長の問題は、早期に発見するほど治療の選択肢が広がります。
「もう少し様子を見よう」と迷っているうちに、骨の成熟(骨端線の閉鎖)が進んでしまうこともあります。
まとめ
- 「低身長」の医学的な基準は 同性・同年齢の平均身長の-2SD以下
- -2SDとは、同年齢の100人中、下から約2〜3人にあたる身長
- -2SDでなくても、成長速度が遅い・成長曲線から外れる場合は受診を
- 迷ったら早めのご相談を。専門的な評価が大切です
当院の成長専門外来では、低身長・成長ホルモン・思春期に関するご相談を受け付けています。
成長曲線を一緒に確認しながら、お子さんに合った対応をご提案します。お気軽にご予約ください。