「低身長の検査って、痛い注射をたくさんされるのかな…」 「大きな病院に行かないとできないんじゃないかな?」 「うちの子、まだ小さいから検査が怖くてできるか心配…」
低身長の検査と聞くと、不安に感じる保護者の方は多いものです。
でも実は、最初の検査はとてもシンプルで、お子さんへの負担も最小限です。
今回は、低身長の検査でどんなことを調べるのか、ステップごとにわかりやすく解説します。
検査はすべて当院の外来で可能です
まず安心していただきたいのは、低身長の検査はすべて当院の成長専門外来で受けられるということです。
大きな病院への紹介や入院は基本的に必要ありません。
検査は段階的に進めていきますので、お子さんへの負担も最小限です。
図のように、検査は大きく4つのステップに分かれます。
STEP 1:問診・身体計測(外来で15〜20分)
最初の受診では、まずお話を伺うことから始まります。
💡 何を聞かれるの?
- 出生時の情報:在胎週数、出生体重・身長
- これまでの成長記録:母子手帳、学校の身体測定の記録
- ご家族の身長:ご両親、きょうだい、祖父母の身長
- ご家族の思春期のタイミング:父親が中学・高校で急に伸びた、母親の初経が遅かったなど
- 既往歴:これまでにかかった病気、現在の服薬
- 生活習慣:食事、睡眠、運動の様子
💡 受診前の準備が大切!
- 母子健康手帳と、保育園・幼稚園、学校での身体測定の記録をご用意ください
- 過去のデータが多いほど、正確な評価ができます
💡 身体計測
- 身長・体重を正確に測定
- 成長曲線にプロットして、お子さんの伸び方を確認
- 必要に応じて、ご両親の身長から ターゲットハイト(予測身長) を計算
ここまでは痛みや負担は一切なし。普段の小児科受診と同じ感覚で受けていただけます。
STEP 2:血液検査(採血1回のみ)
問診と身体計測で「より詳しく調べる必要がある」と判断された場合、次のステップとして血液検査を行います。
💡何を調べるの?
主に、ホルモンと全身の状態をチェックします。
- IGF-1:成長ホルモンの働きを反映する数値
- 甲状腺ホルモン:代謝の状態、甲状腺機能
- 肝機能・腎機能:内臓の働き
- 血算・電解質:貧血や栄養状態
- 亜鉛:成長に関わる亜鉛欠乏の有無
💡採血の負担は?
採血は1回のみ、量も少量です。
小児科の風邪の検査と同じくらいの感覚で受けられます。
当院では、お子さんが怖がらないように、丁寧に声かけしながら採血を行っています。
💡 IGF-1って何?
成長ホルモンは血液中の量が常に変動しているため、1回の採血では正確に測れません。
そこで、成長ホルモンが体に作用した結果として作られるIGF-1という物質を測ることで、成長ホルモンの働きを間接的に評価します。
STEP 3:骨年齢検査(手のレントゲン1枚)
低身長の評価で 特に大切な検査 が、この骨年齢検査です。
💡何をするの?
左手のレントゲンを1枚撮るだけです。
所要時間はわずか数分。お子さんにとっても負担はほとんどありません。
💡何がわかるの?
レントゲンに写った手の骨(特に手根骨や指の骨端)の成熟度から、「骨年齢」 を判定します。
- 骨年齢 < 実年齢:まだ伸びる余地がある(成長期が遅いタイプの可能性)
- 骨年齢 ≒ 実年齢:標準的な成熟
- 骨年齢 > 実年齢:思春期早発症などの可能性
骨年齢は、「これからどれくらい身長が伸びる可能性があるか」 を予測する、非常に重要な指標です。最終身長の予測にも使われます。
💡 なぜ左手?
全身の中で、最も多くの骨が密集しているのが手です。
特に左手は利き手でない人が多く、骨の発達が外的影響を受けにくいため、世界共通で「左手」が使われます。
STEP 4:必要に応じて精密検査
STEP 1〜3で「治療が必要かもしれない」と判断された場合のみ、より詳しい検査に進みます。
全てのお子さんが受ける検査ではありません。
💡主な精密検査
① 成長ホルモン分泌刺激試験
- 成長ホルモンの分泌能力を直接調べる検査
- 薬剤を投与して、その後の成長ホルモン値の変化を測定
- 当院の外来で実施可能(朝から2時間程度かかります)
- お子さんに付き添える環境で、安心して検査を受けられます
② 頭部MRI
- 成長ホルモンを作る脳下垂体に異常がないかを確認
- 痛みはありませんが、20〜30分じっと寝ている必要があります
- 連携している画像診断クリニックで対応
③ 染色体検査
- ターナー症候群などの染色体異常がないかを調べる
- 主に女児で必要に応じて行います
- 通常の採血で検査可能
④ その他の専門検査
- 消化器・腎臓・心臓などの病気が疑われる場合の検査
検査結果が出るまでの流れ
- 受診当日:問診・身体計測・必要に応じて採血と骨年齢検査
- 約1〜2週間後:検査結果が出るので再受診し、結果説明
- 必要な場合:成長ホルモン負荷試験など、当院外来で追加検査
- 治療方針の決定:成長ホルモン治療の適応がある場合は治療開始へ
よくあるご質問
Q1. 検査費用はどれくらい?
- 保険診療の範囲で行います。小児医療費助成制度(マル福)があるため、自己負担は600円以内になります。
Q2. 検査の前に絶食は必要?
- 初回の検査(採血・身体計測・骨年齢)は絶食不要です。普段通りに食事をして受診してください。成長ホルモン負荷試験の場合は朝食を抜いていただきますが、事前に詳しくご説明します。
Q3. 何歳から検査できる?
- 3歳頃から可能です。むしろ早めに評価することで、治療が必要な場合に早期介入できます。
Q4. 検査で「異常なし」と言われたら?
- その場合は、6〜12ヶ月ごとに身長を測定して経過観察します。成長速度が落ちてきたら再評価します。
まとめ
- 低身長の検査は 「問診→血液検査→骨年齢→必要なら精密検査」 と段階的に進みます
- 最初の検査は 採血1回 + レントゲン1枚 が中心で、負担は最小限
- 検査の中でも 骨年齢検査 は、これから伸びる可能性を知るために特に大切
- 精密検査は必要な場合のみ。全員に行うわけではありません
- 早めの評価が、早めの治療につながります
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